人生において、他人から「昨夜見た夢の話」を聞かされている間ほどしょうもない時間は他に存在しないだろう。
そのことを十分に理解している。だがしかし、私が見た夢の話を聞いて頂きたい。
私は眠りが浅いのか、ひと晩に何度も夢を見るタイプの人間である。
そして朝方、起きた瞬間に今の今まで見ていた夢が悪夢だった場合、悪夢の内容を夫にべらべら喋りまくるという、夫からしたら大迷惑な習慣が身についている。
ここで念のためにお伝えしておくが、流石の私も夫を無理やり起こすようなことはしない。
夫は大抵の場合私より先に起きているのである。そのため私は彼が起きてさえいれば、本人の機嫌や体調など全く構わず悪夢の内容を喋り続ける。そして話し終わって満足し、また二度寝したりする。その後夫はいつも眠れないそうだが。
私の悪夢を長年聞かされ続けている夫がよく言うのは、
「よくそんな狂った夢みるよね。信じられない。狂ってらっしゃる。」
そう、私が普段からよく見る悪夢は、かなりグロテスクな内容が多い。大体、パニックホラー映画並みの、内臓ブッシャー!血みどろ!系。宇宙からの侵略パニック系もよく見る。えげつない拷問や処刑場面などもレギュラー悪夢だ。
朝っぱらから内臓ブッシャードロドロぐちょぐちょな話を黙って聞いてくれている夫よ、申し訳ないがいつもありがとう。
しかしながら当然、こんな私が見る夢の中でもいい夢の時もある。見る夢が全てパニック&ホラーだったとしたら誰もが迷わず心療内科を受診するだろう。
「私的・いい夢」とは、大好きな漫画やアニメのキャラクターが実写として出てくる時だ。
これまで『ジョジョの奇妙な冒険』の条太郎やジョルノ・ジョバーナ、『魔法の天使クリィミーマミ』のマミ、スタジオジブリ系の登場人物など、私にとってはよだれズビスバー!もんの錚々たる大好きなキャラたちが夢に出て来た。しかも夢の中で彼らは私たちと同じ3次元存在の人間であり、友達だったりするのだ!
こういった夢を見た時は、朝目覚めても自分しか感じられない幸せな余韻に浸る。隣で夫が起きていようが黙って幸せを噛みしめているという、私は真の最低女である。
普通の夢の時も当然ある。仕事してるとか、知り合いが出てきて、とか。この場合は、印象に残ったことがある時だけ夫に喋っている。
そんな中で、私は普段から不思議に思っていることがあった。
「夫」がなかなか私の夢に登場しないことである。
頻度で言ったら、私が夢を300話見る内、1回登場するかしないか。くらいである。
現実世界では毎日誰よりも長い時間を共に過ごしているのに、私の夢の中で夫は「超レアキャラ」だ。
夫以外の知り合いや家族は普通に出てくる。出てくるのが普通だから、誰が出てきても特に何も思わない。
しかし夫が出てきた時だけは起きた瞬間、「夫が夢に出て来た!」と、まるでディズニーランドで大好きなマイナーキャラに遭遇した時並みにテンションが上がる。そしてその内容は必ず夫にべらべらと喋っている。
スピリチュアル好きな人にとって「夢」の解釈は様々あると思うが、私は、自分が「内観ワーク」に取り組み始めて暫く経った頃から今日までで、悪夢を見る回数はかなり減った。
そして「まさにスピった夢だ!」と自分自身が確信し感動できた夢を、過去3回だけ見ることができた。しかも何故かその3回とも、夢の中では超レアキャラ存在である「夫」が登場している。
私にとってこの事実は、「夢に夫が登場しない不思議」よりも遥かに大きな謎である。
現実の夫は、アンチスピリチュアルで超絶左脳思考。見えないものは信じないし、人は死んだら「無」以外無いと言い切っている。更に超絶左脳思考故に自身のことも他人のことも怖いくらい客観的に見つめる。
そのメタ認知能力レベルは私から見たら「宇宙人レベル」。確実に人間がメタ認知できる範囲を超えていると思われる。
全てを客観視した結果伝えられる私への様々な指摘は、まさに高次元存在からのメッセージとしか思えないようなことがこれまで何度もあった。
なのに、「自分はアンチスピリチュアル」と言い切り、何も信じないし受け入れない。
私から見ると夫はこのような基本人格であるため、スピってんだかそうじゃないんだか、何が何だかわけがわからない。
さて、そんな夫が登場した、起きた瞬間に「やっば!!!!!」と感動した私的・超スピった夢とは、みんな大好き間違いない!「UFO」の夢だった。
夢の内容はこうだ。
私と夫は夜中、家のベランダに出て夜空を眺めていた。
すると私たちの目に映るいつも通りの夜の景色に、一筋の光が現れた。
「あ!流れ星かな?」私がそう思ってテンションが上がった次の瞬間、同じような一筋の光が夜空いっぱいに溢れ出し、それは流れ星ではなく「UFOだ!!」と気がついた。しかも数は数えきれないほど!とんでもなく大量だった。
あっという間に目の前は数えきれないほどの無数のUFOが発する金色の光で満ちていた。
まるで昼間の光り輝く太陽のように、辺り一面が黄金色に輝いているのだ。
私は夫に「こんなこと、あり得る?」と冷静に聞いた。
夫は「絶ーっ対に、あり得ない!」と、元AKB48こじはる曲『ハート型ウイルス』の間奏時のセリフ並みに言い切った。
私は「だよね!!」と言って目をまん丸くし、「そのセリフ、こじはるかよ!!」っと突っ込みを入れることも出来ずに、ただただ呆気にとられ夜空を眺めていた。
するとなんと、呆然としていた私たちの体が光り出し、フワフワと宙に浮き始めたのだ!!夫はとても慌てていた。
夫と共にベランダから宙に放り出された私は、夜中に無数のUFOが光輝く光景に大騒ぎしているマンションの住民の皆様の姿をプカプカ浮いた状態で眺めていた。
その時、私にはUFOからの「大丈夫。」という声が聞こえたような気がした。
私はその声を信じた。慌てている夫に
「絶対に大丈夫だから。とにかく、このまま一緒に行こう。」と言った。
夫はそれを聞くと何故か落ち着きを取り戻し「わかった。」と言った。
そして2人で覚悟を決めたのだ。
夜空にフワフワと体が浮き、私たちはUFOに向かう流れに身を任せた…
しかし私は、このあとUFOに辿り着く前に目が覚めてしまった!!!!!
信じられなかった!何故、今、起きてしまうのだ!私!!せめてあと数分間寝ていれば、UFOと共に宇宙に旅立てたかもしれなかったのに!!
私は昔からUFOが大好きだ。学生の時も、授業中ひたすら空を眺めて「UFOが現れないかなー。」とか思いながらボーっとしていた。UFO系の番組も欠かさずチェックする程だ。
そのため、UFOのリアルな夢を見れた私は起きた瞬間からテンションMAXだった。
私 「今!!いま、夫と一緒にUFOに連れてってもらえそうだったのに!!!!途中で起きちゃったよ!!!!マジで連れてってもらいたかったーーーー!!!!なんてことだぁーーーー!!!!お願いですーーーー!私だけでもいいから、連れてって下さいーーーーー!!!!」
夫 「朝からうるせぇ!!静かにしろ!!!」
私 「だって………ಥ_ಥ(撃沈)」
それから数か月後、夫が登場した2回目の私的・スピった夢も、またUFOだった!!
大きなショッピングモールの平面駐車場で、車に乗り込もうとしていた私は、ふと空を見上げると、UFOが横切ったような気がした。ほんの一瞬の出来事だ。
私は夫の顔を見つめて「あれ、今の。もしかしてUFOだったかも…!?」と言った。
頭上を眺めながら聞いていた夫は、「そうなんじゃない?だって、ほら。」と言って空を指さした。
その指の先に目を向けると、スーパーどでかいUFOがドドーン!と現れていた!!!
スーパーどでかいUFOは、なんとなく
「仕方ないねぇ。私たちのファンですか?見つかってしまったわね。オホホ。今回だけの大サービスですよ」と、少し悦に入ったような雰囲気だった。
そしてゆっっっくりな速度で私と夫の頭上スレスレを低空飛行し、自分たちの姿を惜し気もなくご披露して下さりながら遠くに行ってしまったのだった…。
前回のUFOの夢から数か月が経過していたため、またもや私は起きた瞬間からテンションMAXだった。
私 「また、UFOの夢、見れたーーー!!また、会いに来てくれたーーー!!嬉しいー!」
夫 「よかったな。そんで、今度は連れてってもらえたか?」
私 「うぅん。今回はUFOの姿を至近距離で惜し気もなく見せつけてくれただけで、連れてってもらえずにどっか行っちゃった…ಥ_ಥ」
夫 「………(興味なしの無言)」
このように、私的には心から嬉しくて、いくら見たいと思ってもなかなか見ることができない「UFOの夢」に、2回とも私の夢の中では超レアキャラの夫が登場していることは何とも不思議でならないことである。
因みに何故ここまで詳細な夢の内容を憶えていられるのかと言うと、「悪夢から目覚めた瞬間に夫に事細かにしゃべりまくる」という長年の習慣がとても役に立っていると思われる。
起きた瞬間に一度人に話せば、印象的な夢であればその内容を忘れてしまうことはあまり無い。
しかし起きた瞬間に人に話せない時もある。起きた時が夜中で、夫が寝ていた時などだ。
そんな時はいくら「朝まで憶えていよう。」と気合いを入れても、朝目覚めるとほとんどの場合は忘れてしまっている。
さて、3回目の私的・スピった夢。これを見たのはごく最近の事である。
夫が「一緒に行きたい所がある。そこにはある人がいるから、今から一緒に行こう!」と言った。
私は正直、面倒な気持ちだったがしぶしぶついて行った。何故なら、夫が人に会うことをこんなにポジティブに、楽しそうにしていることが非常に珍しかったからだ。
着いた場所は誰かの会社のオフィスのようだった。
ノックをしてオフィスらしき部屋に入ると、そこに居たのはどでかいインド人のおっさんだった。
おっさんを見るなり、夫は見たことないテンションで歓喜していた。
私は内心「だれ?このインドのおっさん。てゆうか、でか。」と思っていた。
すると夫が
「この方は、すごい能力がある方なんだよ!マオさんが悩んでいることを解決してくれるよ!」
と鼻息荒く私に言った。
私は
「悩み……。?なんだろ、しいて言えば、喉のチャクラのヒーリングかなぁ…。」と、疑心暗鬼のままボーっと考えていた。
疑いの目をしている私にでかいインド人のおっさんが近づいて来て、歓迎のハグとキッスをしてくれた。
私は内心、おっさんからのハグとキッスが嫌で仕方なかった。
しかしその光景を夫が本当に嬉しそうに、キラキラした眼(まなこ)で見つめてくれているのがわかっていたため、物凄く嫌だったが我慢した。
おっさんは私をじっと見つめると、手をフイフイっ!と宙で小さな円を描くようにしたと思ったら、
「喉のチャクラはもうこれで完全に癒されたよ、大丈夫。ハイハートチャクラもね☆」
と言った。
私は非常に驚き、「え!!なんでわかったの!?」と言うと
おっさんは、「見たらわかるんだよー☆とにかくもう、ダイジョウブだよぉ☆」
と、超陽気に言って小躍りしていた。
その姿を見て私は、このおっさんは完全にパリピだ。と少し呆れて思ったのである。
…目覚めた私は思わず笑ってしまった。
夫が私にスピリチュアルヒーラーを、しかもインドのおっさんを紹介してくれるなんて。w
おっさんはインド人でありながら、今思えば人間とは異なるオーラも放っていたように感じた。(私はオーラは見えません。)
そしてこの夢はUFOの夢の時と同様、スピった夢の感覚が起きてからも消えなかった。これにつてはただの私個人の感覚であるため、本当にスピった夢なのか、間違っているかなんてことは全くわからない。
夫婦で通っている鍼灸院の先生のおかげで最近「チャクラ」をいう言葉を知った夫に、この夢を笑いながら話した。
夫はいつも通り、なんの興味も無さそうに黙って聞いていた。
この夢を見た数日後、私がずっと行きたかったカラオケに休日の夫が連れて行ってくれた。
この日、何故か喉の調子がすこぶる良かった私は、ここぞとばかりに大声で歌いストレスを発散した。
そして「いつもは1時間くらい経たないと喉が開いた感じにならないのに、今日は何故か初っ端からのど全開だわー!」と夫に意気揚々と話していた。
夫は興味が無さそうだった。
しかし私はこの時に気がついた!!!!
「あ!!もしかして、あの夢!!インドのおっさんが、喉のチャクラ癒してくれたじゃん!?だからかな!?」
私的には大まじめな閃きである。しかし夫は冷静に淡々と、
「喉のチャクラって、歌うことに関係あるの?」と聞いてきた。
私 「歌…歌…歌………(関係ないと認めたくない意地がここで発生)」
夫 「まぁ、どうでもいいけど。」
私 「………ಥ_ಥ(撃沈)」
私的・スピった夢の内容を一方的に晒してきたがとにかく私は、いつかUFOと共に宇宙に飛び出し、あらゆる星に遊びに行きたいと本気で思っている。今はアンチスピな夫と共に。
これは夢に留まる話ではない!現実に起きて欲しいのだ。
この想いが強すぎる私は日々、「UFOへの執着心」を、内観ワークで手放している…。
もっと他に手放すべきものがあるにも関わらず…。
おしまい
最近、インドが気になって仕方がないマオでした!最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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